Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 地域行事&屏風下書き開始
今日は午前中は職場の地域行事に参加してきました。自分の役職上これは参加せざるを得ないもので、仕事の一環として考えています。今月はこうした用事が立て込んでいるので、なかなか陶彫制作が進みませんが、それでも昨日は第2ステーションの成形と彫り込み加飾が完了したので、今日は午後になって、いよいよ屏風の下書きに取り掛かりました。屏風は6枚の厚板で構成する予定ですが、まず手始めに基本となる1点目の下図を描いてみました。イメージとしては20代の頃に旅したトルコを思い出し、過去の作品で頻繁に参考にした地中海沿岸に広がる古代都市ではなく、トルコ内陸のカッパドキア地方の奇岩を参考にしました。奇岩には無数の穴が開いていて、この洞窟に人の住んだ形跡が見られました。イスラム教徒が台頭する中で、キリスト教徒が隠れ家にした歴史があって、美しいフレスコ画も洞窟に残されていました。ちょうど蜂の巣のような秩序だった洞窟住居は、自然と人工の織り成す絶妙な美観が何年経っても私の印象に残っています。その美観を思い出し、まず屏風に表したいのは風化した壁であり、人々の暮らした痕跡であり、まさに廃墟となった住宅を作りたいと考えているのです。そこに這っていく不可解なオブジェを陶彫で作り、大きな捉えをすれば死生観までも表現できたら本望かなぁとも思っています。最初に秩序だった穴の開いた壁を作るために、厚板に横長の同じ長方形が並ぶ基本的なパターンを描きました。厚板の縦横の長さに対して、どのくらいの長方形を配置すべきか、長方形と長方形の仕切りをどのくらいにすべきか、己の感覚を下敷きにしながら寸法を計算をして、まず1点目の厚板に定規で縦横の線を引きました。これと同じものを6点作ります。廃墟を作るためには、廃墟になる前の整然とした住居を作る必要があるのです。きっちりとした構成物がなければ、破壊することも出来ません。とりあえず基本となるパターンは書き上げました。先が長いなぁと思いつつ、屏風の第一歩は踏み出しました。今後は陶彫制作と屏風の木彫制作を同時に進めていく所存です。