Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 陶彫加飾&映画鑑賞
やっと週末になりました。今週末は2日間とも丸々陶彫制作に充てられます。今日は朝から若いスタッフが基礎デッサンを描きに工房に来ていました。彼女はまだ高校生ですが、毎週工房にやってきて美大受験用のデッサンをやっています。コツコツと取り組む姿勢がいいなぁと思っていて、私も頑張らなければと背中を押されるような思いに駆られます。受験生と共に私も地道な努力こそ大事と思える時間を過ごしました。私の今日の作業は、屏風に接合する陶彫部品の彫り込み加飾を2点やることでした。それが終われば、乾燥している別の陶彫部品にヤスリをかけ、さらに化粧掛けを施す予定でしたが、彫り込み加飾に結構時間がかかってしまい、今日は夕方までやっていても彫り込み加飾だけで精一杯な状態でした。明日の新たな成形のためにタタラを数枚準備して今日の作業を終わりました。夕方スタッフを車で送った後、久しぶりに横浜の下町にあるミニシアターに出かけました。家内が邦楽器の演奏があるために、今晩は私一人で出かけました。観た映画は「シュヴァルの理想宮」というフランス映画でした。19世紀末に郵便配達員が愛娘のために33年間を費やして、たった一人で宮殿を築き上げた物語ですが、実在の題材を取り扱っているため、歴史的建造物に指定されている実物の理想宮を撮影に使っていました。建築や土木などを学んだことがない郵便配達員が、配達をしている途中で拾った石を貯めこんで、たった一人で打ち込んだ巨大で奇妙な宮殿。シュヴァルは昼間は郵便配達の仕事に従事していて、夜になるとモルタルをこね、石を組み合わせる作業に没頭するのです。まさに私と同じ二足の草鞋生活。しかも宮殿作りは創作行為です。この映画を知った時から、私は自分と同じ境遇かもしれないと勝手に想像して、何としてもこれを観たかったので、今日はその願いが叶いました。おかげで映像の世界に食い入るように心が吸い取られていくのを感じました。詳しい感想は後日に回します。今日は午前中は自ら陶土と対話した実際の創作活動、午後は映画の中で創作活動をした気分になれた満足感で、本当に充実していました。実際の創作活動は明日も継続です。