Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 2020年図録用撮影日
毎年、この時期に個展の図録用に彫刻作品の写真撮影を行っています。数えればもう15回目になりますが、この日が新作のゴールになるため、私は朝から気持ちが休まることはありません。集合彫刻である私の作品は、今日漸く完成して初めて組み立てるのです。つまり完成作品の全貌が見られる最初なので、私にとってファーストインパクトがどうなのか、そこで一瞬にして作品の良し悪しを私自身が決定づけてしまうことになるのです。陶彫部品を構築することに慣れているとはいえ、作品が最初のイメージ通りになっているのか、造形的主張はブレずに出ているのか、成功か否かの判断を下すことにもなります。大抵はほぼ成功し、そこそこ満足できる結果になりますが、課題もまた見えてきます。だからこそ次へ繋がることにもなると言えます。今回も例外はなく全体的に上手くいったと思っています。陶彫の動きが一層生物的になり、地中海の遺跡から発想した当初のイメージは、10年以上も経過して別の要素が加わり、地下に蔓延る生命体のようになってきたと感じました。地を這うモノが廃墟と化した架空都市を覆っていくイメージは、「発掘~聚景~」の根幹を成すものです。逆にテーブル彫刻「発掘~突景~」は三角形を基本とする中空に浮かんだ物体をイメージしました。今日は朝から男性アーティストが2人、女性アーティストが1人、美術に関係した高校生3人、家内と私、それにカメラマン2人の合計10人で作業を行いました。今までの撮影日の中では最も多い人数が集まりました。まずは駆けつけてくれたスタッフの皆さんに感謝申し上げます。皆さんの協力なしでは私の作品は組立てられないのです。調子の良いことを言えば、この人たちが個展の搬入と搬出に関わっていただければ、個展の準備もスムーズにいくと思っています。またこの人たちが私の工房を利用していることもあって、それぞれが異なる素材を使って創作活動を展開しています。こうした関係は大切で、お互い励まし合っていきたいと願っています。