Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 益子から陶土が届いた日
週末になりました。今日はいつも通り朝から工房に籠って制作三昧の一日でした。陶土を掌で叩いて座布団大のタタラを数枚作り、明日の陶彫成形に備えました。それから彫り込み加飾を行いました。一日の制作時間としては、この彫り込み加飾にほとんど費やし、制作サイクルとしては順調に進んでいました。唯一問題なのは倉庫に貯蔵していた陶土がなくなってきたことで、例年この時期に栃木県益子から陶土を運搬してもらっています。先日、益子にある明智鉱業に電話をして、注文用のファックスを送りました。私は複数の種類の陶土を、割合を決めて土錬機で混ぜ合わせ、自分なりの陶土を作っています。それら複数の陶土を全部含めると毎年購入する陶土の全重量は800キロになります。20キロずつビニールで梱包されている陶土を40個、運送業者が運んでくるのです。時間としては午前中を指定していて、今日は11時頃に工房にやってきました。倉庫側のガレージを開けて、業者と私が陶土を工房内に運び入れました。これで1年間は陶土が事足りる状態になり、私は新作の制作に拍車をかけられるのです。陶で彫刻を作ろうと思っていた時代、ちょうど滞欧生活から日本に帰ってきた頃に、茨城県笠間に住んでいた陶芸家の友人と連れ立って、栃木県益子にある明智鉱業に行きました。当時はさまざまな産地の陶土を買ってきては、手で混ぜ合わせ、テストピースを作っていました。今では使わない釉薬も試していました。気に入った風合の陶土が出来ても陶彫部品の大きさに耐えられず罅割れが生じたり、また割合を変えてみると、イメージ通りでなかったりして、実験を何度も繰り返していました。当時の作品は立体ではなく、レリーフ状にしたものが多く、立体として立ち上げることへの不安がありました。それでも陶を素材に作品化できる喜びが私にはありました。そんな試行錯誤の中で「発掘~鳥瞰~」が生まれました。「発掘~鳥瞰~」は、まだ完全な立体ではなく、部品は全てレリーフですが、屏風に仕立てることでイメージ通りの作品ができたことが今でも思い出されます。あれから20年以上が経っても、明智鉱業から陶土を運搬してもらっているのです。夕方まで作業していて、今日のノルマを果たした私は工房を後にしました。夜になり、家内と最近話題になっているアニメ映画に話題が及び、レイトショーならまだ座席が取れるのではないかと思いたち、車で鴨居にあるTOHOシネマズに出かけました。ネット予約の方法もあったのですが、コロナ渦の中の映画館の状況が知りたくて、ともかく出かけてみたのでした。果たして映画館はそれなりの混雑がありましたが、思っていたほどの状況ではなく、その社会現象にもなっているアニメ映画を観てきました。詳しい感想は後日に回しますが、帰りは深夜になりました。車でなければ帰ってこれない時間帯なのに、これだけの人が入っている映画を私は今まで知りませんでした。