Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 土台の完成に向けて
公務員を退職してから週末の意識が薄れてきていますが、NOTE(ブログ)のタイトルには週末を明記して、新作の制作状況を書いていきます。まず「発掘~盤景~」は陶彫部品の制作が既に終わって、窯入れの順番を待っている状態です。小品である「陶紋」の残り2点の乾燥状態が心配ですが、撮影日ギリギリまで窯入れを待ってみようと思います。ここ数日は「発掘~盤景~」の土台を作り続けていて、木材加工と砂マチエールの施工に一日のほとんどを費やしています。土台は鋭角な二等辺三角形を20点使って構成する円形になっていて、その半分が出来上がって砂マチエールを施しました。残り半分の木材による切断や刳り貫きは終わっていて、作業としてはそれらを組み立て、月曜日には砂マチエールを施す予定でいます。円形全てが砂マチエールで覆えたら、油絵の具を滲み込ませて絵画性を追求していきます。手伝いに来ていた家内が「まるで舞台みたいだね。」と円形の土台を称していましたが、大学で舞台美術を学んだ家内からすれば自然な発想だと思いました。差し詰め円形土台が舞台なら、そこに配置される陶彫部品は、役者たちの群像なのかもしれないと私も思いました。作品を別の発想に置き換えて楽しむのはいいものだなぁと感じ、私が作る形態が抽象だからこそ、その人独自の発想が生まれるのかもしれません。職場に出勤することもなく先月と今月はほとんど工房で制作をして過ごしてきましたが、完成が図録用撮影日に間に合うかどうか心配になったことに苛立ちも覚えました。毎日制作をしていても余裕が生まれないのはどういうことか、昨年度までは学校の校長をやりながら、よくぞここまでやってこれたものだなぁと振り返っています。今年の新作は例年より手間がかかっているのではないかと、家内がポツンと呟いたことで、あぁ、そうなのかなぁとも思いました。毎年完成のハードルは少しずつ上げている意識はあるものの、現行作品の状況がよく分かっていない自分には、家内の何気ない一言で妙に納得してしまった感覚がありました。