Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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久しぶりに東京の美術館巡り
東京の美術館に出かけていくのは久しぶりです。新型コロナウイルス感染症の影響で、美術館は事前予約をするケースが多く、今日出かけた2ヵ所の美術館もネットやコンビニで事前予約が必要でした。今日は工房で窯の出し入れがあって、美術館に出かける前の早朝に工房に行って、窯の作業をしてきました。2点目の陶彫部品も何とか無事に焼成できてホッと胸を撫でおろしました。最初の美術館は昼12時に入館が決まっていたので、そこを目指して家内と自宅を出ました。2ヵ所の美術館とも東京駅周辺にあったので移動は楽でしたが、晴れていた天候が突如豪雨に見舞われ、雨宿りをしているうちに、また青空が顔を出すというアクシデントがありました。まず最初に到着した美術館はアーティゾン美術館。これは旧ブリジストン美術館で、学生時代から幾度となく足を運んだことがある美術館でした。建物がリニューアルし、モダンな空間に変わっていました。「STEPS AHEAD」と題された展覧会は、昔からあった石橋コレクションに新たな作品を加えた構成があって大変見応えがありました。私は個人的にマリノ・マリーニのコレクションが見たかったのですが、それ以上に近代から現代に至る存在感のある作品が数多く展示されていて、大いに満足を覚えました。詳しい感想は後日改めます。次に向かったのが東京ステーション・ギャラリーでした。ここで開催されていた「藤戸竹喜」展は、「木彫り熊の申し子」という副題がついていて、アイヌ民族の木彫家による動物や人物の木彫作品が中心で、これも大変見応えがありました。作家は子どもの頃から父親の影響で熊の木彫りをしていた人だったようで、熊や狼の形態把握には超絶技巧としての凄みがありました。作家は予めデッサンをすることがなく、いきなり巨木に挑んで、そのカタチを彫り出してしまうようで、その量感の捉えは素晴らしいの一言に尽きます。嘗て私の両親が北海道に旅行した折、熊の木彫りを買ってきて今も実家にありますが、阿寒湖に木彫りの店を連ねている状況は私も訪れたことがあるので知っています。そうした民芸品の中から優れた彫刻が登場してくるのかと改めて思った次第です。「藤戸竹喜」展の詳しい感想も後日改めたいと思います。久しぶりに東京の美術館巡りをしてきて、今日は充実した一日を過ごせました。