Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 後輩の木彫撮影日
二科会に所属する彫刻家に長谷川聡さんがいます。彼は私の後輩で教職に就きながら木彫をやっていて、まさに以前の私と同じ二足の草鞋生活を現在も送っています。彼は今回の二科展に力作を出品し、記念賞を取りました。彫刻家は自作の写真撮影に力点を置いている人が多く、彼も私も例外ではありません。作品を人に見せるには組立て等の労力を使うため、画像で見せることが得策と思っているのです。彫刻家の中には自分自身で撮影する人もいますが、私はカメラマンにお願いしていて、他者のセンスが入ることによって視点が変わり、自作の中に思わぬ発見があることを大切に考えているのです。私の作品の図録用の写真撮影では彼が毎回手伝いに来てくれました。そのせいかカメラマンに撮影をお願いすることでも、彼は私に共感していて、他者のセンスに作品を委ねるメリットを充分知っているのだろうと思います。撮影場所として相原工房を使わせて欲しいと彼から申し出があり、私は快諾しました。彼の木彫は水の動きを表現していて、渦巻いて噴水し、また上から滴り落ちる水滴が面白いので、とりわけ野外工房での撮影は効果を発揮するだろうと確信していました。やはり周囲の木々の緑と木彫が共鳴して、思った以上に効果を齎せていたと思いました。年齢的にも彼はまだ学校の中心的役割を担っていかざるを得ない人材で、彫刻家との二足の草鞋生活は辛いだろうことは、私が一番知っていますが、今が頑張りどきなのかもしれません。作品も愈々充実してきた感じがあります。私は自分を振り返ると無理を承知で、やりたいことをやりたいだけやってきたわけですが、大病を患わなかったことが唯一の救いです。長谷川さんにもずっと健康であることを祈りたいと思っています。