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「バウハウス-歴史と理念」を読み始める
「バウハウス-歴史と理念」(利光功著 株マイブックサービス)を今日から読み始めます。バウハウスは建築の家と言う意味のドイツ語で、1919年に創立された風変わりな美術学校です。建築家ヴァルター・グロピウスの宣言によってバウハウスはスタートしました。「あらゆる造形活動の最終目標は建築である。~略~建築家、彫刻家、画家、我々はみな手工芸に帰らなくてはならぬ!というのは『天職の芸術』は存在しないからである。芸術家と手工芸家との間に本質的区別はない。芸術家は高揚せる手工芸家である。天の恩寵が、作者の意思の届かぬまれな輝ける瞬間に、無意識に手わざから芸術を開花せしめるが、しかし手工の熟達という基本はあらゆる芸術家にとり不可欠である。そこに創造的形成の根源があるのだ。」宣言に次いでヴァイマル国立バウハウスのプログラムが示されていましたが、従来の美術学校とは異なる方策があり、記念碑的芸術と装飾芸術とを区別しないものでした。芸術自体は教えられない要素もありますが、手工芸は違うと述べられています。「それゆえあらゆる造形的創造の不可欠の基本として、研修者にはみな工房や試験場や作業場での基本的手工訓練が要求される。~略~バウハウスには教師と学生ではなく、親方と職人と徒弟がいるのである。」バウハウスは具体的な技能訓練をカリキュラムに入れていて、それが全て建築として統合される理念があったようです。こうしたことを私は10代の終わりに美大受験の予備校で教えられました。現代でもその理念を貫いているドイツの学校があるとも聞きました。私は大学生になってからバウハウスに関する資料も集め出していました。ウィーンに滞在していた時も「Das Bauhaus Hans M.Wingler著」という分厚い書籍を手に入れたのですが、今となっては原語で読むことは叶わず、自宅の書棚で埃を被っています。折に触れて、断片的ながらバウハウスで教授したクレーやカンディンスキーの造形論も私は読みました。ここでまとまった書籍を通してバウハウスの歴史と理念をもう一度頭に入れておきたいと考えました。本書は新装版をさらにバウハウス創立百年を記念して改訂復刊したもので、昭和45年に初めて出版されています。かなり硬質な内容かもしれませんが、じっくりと読んでいこうと思います。