Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 梱包用木箱を作り始める
週末になりました。今週を振り返ると7月個展に向けた準備として作品の梱包を始めました。木工土台のビニールシートによる梱包は大体終わったので、これからは陶彫部品を収める木箱を作り始めることにします。ビニールシートへの貼り付けもそうですが、陶彫部品を包むのにもエアキャップが必要で、量販店から大きなロールを3束購入してきました。エアキャップは油絵の具の塗装面や陶彫部品の破損を防ぐためのクッションの役目をするので、相当な量が必要です。木箱を作るためのベニア板も垂木も充分揃えたつもりでも毎年足りなくなります。まぁ、大量に購入して在庫をしてしまうのも倉庫の場所をとってしまうので、梱包の具合を見ながら建材店や量販店に頻繁に通うことになるのです。梱包にこれほど気を使っている彫刻家は私以外にいないように思います。梱包は創作活動に比べれば退屈な作業ですが、長く作品を保存をするとなればこれは大切な作業です。私の作品が早々に売れていかないので、なかなか辛い気分にもなります。今日は工房に美大生がやってきて自らの課題をやっていました。週末は教え子が来るというのが習慣になっています。彼女は染織専攻ですが、自分で日本美術の琳派の研究を始めるようで、琳派文様が自らの専攻に生かせるといいのかなぁと思いました。俵屋宗達や尾形光琳のことを彼女と話せるのが、退屈な梱包作業の一服の楽しみになっていました。私自身も20年以上前に、ウィーンでG・クリムトの絵画を見た時、尾形光琳の「紅白梅図屏風」の中央に描いてある川の流れの表現を見て、クリムトの装飾文様と交差して、一つの画面の中で立体と平面が織り成す不思議さに心打たれました。そんなことを思い出した一幕でした。