Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

東京の画廊&2つの美術館散策
今日は美術鑑賞の日と決めていて、朝から家内と都内に出かけていきました。まず最初は私が個展を毎年開催している銀座のギャラリーせいほうでした。私の個展の時に建築家の石山修武さんがお見えになって、暫し話をしていかれました。石山さんの建築は風変わりなもので、雑誌等で私は存じ上げていましたが、ご本人もなかなかどうして個性的なキャラクターで、私の作品に対しても好意的なのか悪態をついているのか、よく分からない煙に巻いたことを言っていました。彼から案内状が届いたので、今度は「石山修武展」に私がお邪魔したのでした。やはり掴みどころのない人物で、この人の早大研究室ではどんなことをやっているんだろうと思っています。その後、私たちは上野に移動し、東京都美術館で開催中の「ボストン美術館展 芸術×力」を見てきました。米国ボストン美術館は日本の傑出した美術品を数多く収集している美術館で、その中でも2つの絵巻が里帰りをしているとあって、私はどうしても見たくなったのでした。それは「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」と「吉備大臣入唐絵巻」で、日本で言う国宝級のものです。ボストン美術館は百科事典的なコレクションがあると言われ、古今東西の優れた作品を所蔵する有名な美術館であるため、勿論西洋絵画も来日していましたが、私は二大絵巻が見られたことで充分気持ちが満たされてしまいました。「ボストン美術館展 芸術×力」に関しては、別稿を改めて起こしたいと思います。次に私たちが向ったのは東京国立博物館の「故宮の世界」展で、中国紫禁城の内部や書画工芸をデジタルで体感できるものでした。日中国交正常化50周年記念と銘打って開催されている同展は、最先端のデジタル技術を活用した文化財展示の可能性を感じさせてくれました。とくに王希孟が描いた「千里江山図巻」の大画面シアターが圧巻でした。平成館を出て東洋館の地下にあるミュージアムシアターで上映されていた「紫禁城・天子の宮殿」は、壮麗な空間をバーチャルリアリティによって再現されていて、これも圧巻でした。こうした高精細3D(三次元)データによる展示は、実物を運搬し、それを私たちが実際に見つめる感覚とはやはり異なっていますが、持ち運びが出来ないモノに関しては、これもありではないかと思いました。今日は充実した一日を過ごしました。