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映画「ONE PIECE FILM RED」雑感
私にとってアニメーションは芸術分野のひとつで、とりわけ日本のレベルは世界に通用するものだろうと思っています。日本的な作画技法は自分が幼い頃から馴染んだもので、それが最近はアナログとCGを組み合わせた緻密で滑らかな動画に発展していて、観ていて楽しくなってくるのです。昨晩観に行った映画「ONE PIECE FILM RED」もそのひとつで、初めてじっくり観た私は本作が世界的に人気があるのは頷けるなぁと思いました。本作の内容は音楽で栄えた国エレジアでライブを開催する歌姫ウタを中心とした物語で、海賊の麦わらの一味がウタのライブを見に来たところから始まりました。麦わらのルフィは実はウタの幼馴染で、ウタはルフィと繋がりのある赤髭海賊団シャンクスの娘だったのでした。そのうちウタの不思議な力が徐々に明るみに出て、壮大な計画があることが判明します。その世界とはウタによって現実世界から海賊による略奪のない理想世界への導きであって、人を意識だけの世界に住まわせるものでした。どうも最近流行の架空の空間でもう一人の自分を演じるようなSF映画のように感じたのは私一人だけだったのでしょうか。一緒に行った家内はウタによる新興宗教のようだと感想を漏らしていました。そんなウタは生育歴でトラウマを抱えており、それを取り除くために麦わらの一味が戦いを挑み、素早い展開を繰り返していきました。ネットのワンピースのフアンの中には、本作には主流となる物語と異なる雰囲気を感じた人が多く、感情移入が難しかったという意見がありました。私は初めて尽くしなので、本作をミュージカルとして楽しんでいました。とくにウタの歌唱キャストを担当したAdoの実力に負うところが大きかったのではないかと思っています。数日前のNOTE(ブログ)にボカロのことを書きましたが、Adoはボカロの作曲家によって曲を提供されているアーティストです。明らかに音作りの主流が変ってきていることを私は感じます。CGと組み合わされると創作の未来形が垣間見えますが、芸術の幅は素朴なものから未来形まで、ますます広がっていくように思います。