Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 鑑賞満載の1週間
いつもなら土曜日に1週間の制作の振り返りを書くのですが、先週の日曜日から昨日の土曜日までは鑑賞満載の1週間になり、気持ちが満たされて幸福な時間を過ごしました。陶彫制作では、土曜日以外は朝から夕方まで工房に籠って懸命にやっていました。気候が創作活動にちょうど良くなり、寒さが増す前に頑張っておこうと思っているのです。陶土に手が触れている以外の周囲の風景や時間が消えてしまう、所謂フロー状態が幾度となくやってきたので、陶彫制作は充実していたと言えます。自分には生きている実感が無意識に訪れていたのだろうと振り返っていますが、今週は鑑賞も充実していました。私は実技と鑑賞は車の両輪のようなものだと考えていて、ビジネスシーンとは違う意味で、創作にもインプットとアウトプットがあると思っています。鑑賞で感銘を受けたら、創作にもそれは生きてくると私は信じているのです。水曜日の夕方は映画「すずめの戸締り」を観に行きました。アニメ監督の本気度が感じられる気合の入った力作だと思いました。金曜日の夕方にも映画に行きました。「宮松と山下」は主役をやった俳優の本気度が感じられる秀作でした。ただ俳優が社会的な問題を起こしていたため、案の定観客が少なく、良質な映画が埋もれてしまうのではないかと心配をしています。土曜日は東京渋谷の山種美術館に「竹内栖鳳展」に行ってきました。日本画家竹内栖鳳の写実性に富む画風に久しぶりに触れて、私も活力をもらいました。その中で猫を描いた「班猫」は展覧会の目玉のひとつであるらしく、鑑賞者も多く群がっていました。我が家にも猫がいるので、「班猫」のこちらを睨む猫のブルーアイがひときわ印象に残りました。これは別稿を起こそうかと思っています。この日は工房に出入りしている女子を2人連れていたので、渋谷のセンター街を散策し、Bunkamuraの地下1階にある「ドゥ マゴパリ」でお茶の時間にしました。これはパリにある老舗カフェの日本店で、パリではピカソやヘミングウェイが集った場所として知られています。私は女子2人の前でちょっと洒落た小父さんを演じてしまいました。1週間のうちに映画2本、展覧会1本を見たのは今までになく、今週は鑑賞満載の1週間になりました。今日は美大生と後輩の木彫家が工房にやってきて、それぞれの課題に取り組んでいましたが、私も鑑賞を糧にして新たな気持ちになり、窯入れの準備をしていました。