Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

「ART」の百科事典
先日行った美術館でギャラリーショップに立ち寄りました。美術館のギャラリーショップの書籍欄には、一般的な書店では販売していない美術の専門書が数多く置いてあって、私は購買欲をそそられます。多少値が張るものでも自分にとって価値があれば、手に入れます。そこが金欠だった学生時代との差かなぁと思っています。私が購入したのは比較的安価な分厚い書籍で、これをリュックに入れて背負って帰宅しました。「ART世界の美術」(アンドリュー・グレアム・ディクソン総監修 樺山紘一日本語版総監修 河出書房新社)は、古代から現代に至るまでの美術を、あらゆる視点で取り上げた百科事典のような書籍です。頁を捲って眺めているだけで楽しくなってくるのは私だけではないはずです。本書は時代だけではなくさまざまな切り口で、作品や作家、美術潮流を紹介していて、私がまだ教壇に立っていた頃に、こんな書籍があったら鑑賞の授業に役立っていたのになぁと思っています。とりわけ私はマニアックな世界観を持った作家が好きで、そうしたことも網羅されているのには驚きました。総監修を担当したアンドリュー・グレアム・ディクソンの言葉が序文に掲載されていました。「美に対して開かれていて知的探求心旺盛な人、歴史的想像力を持つ人、宗教に好奇心を持つと同時に寛容になれる人、新しい視点で物事を見るために個人的な偏見を捨てる覚悟がある人。そんな人は、自己満足的に心を閉ざす人よりずっと多くのものを芸術家から(そして人生からも!)得ることができる。本書の目的はタイトルと同じくらいそのものずばりだ。アートの専門知識を持たない読者をいくつもの芸術体験へと導くいくつもの扉を開くこと。それによって、美術館やギャラリー、教会や修道院、寺院やモスクの世界をより身近で楽しいものにすることを目指している。~略~アートに興味を持つことは発見の旅に乗りだすことだ。この旅は、無数のわくわくするような場所へいざない、あらゆる種類の思いがけない出会いを約束してくれる。」アートは私にとっても人生を賭けるほど重要な分野で、20歳の頃にその魔力に憑かれてから、おそらく人生を全うするまで併走する相棒でもあると考えています。