Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 焼成2回&鑑賞の1週間
週末になりました。今週の創作活動の状況を記したいと思います。先週金曜日に業者を呼んで陶芸窯の修理を行いました。早速日曜日の夕方に1回目の窯入れを行い、水曜日に窯出し、その日に2回目の窯入れを行い、今日は2回目の窯出しを行いました。窯はきちんと設定温度まで上昇して、陶彫作品は見事に完成していました。本当に安心しました。陶彫制作は焼成がなければ作品にならず、最も重要な制作工程として窯の出し入れがあるのです。今週も陶彫の制作三昧でしたが、窯入れをした翌日は工房内の電気が使えなかったので、月曜日は照明なしの自然光の中で制作をやっていました。木曜日は制作が出来ないことはなかったのですが、やはり作業のやり難さがあって、その日は工房を休みました。それに代わって木曜日は東京上野の東京国立博物館に鑑賞に出かけました。開催中の「東福寺」展はなかなか見応えのある内容で、私は幾度となく京都に出かけて東福寺を訪れているのにも関わらず、東福寺の宝物に改めて感銘を受けてしまいました。東福寺と言えば、私は重森三玲の庭園しか頭になく、それ以外は眼に入らなかったのが恥ずかしい限りです。昨日のNOTE(ブログ)にも書きましたが、東福寺の僧侶でもあった吉山明兆の絵画の数々に触れたことが、私にとって大きな収穫でした。なかでも五百羅漢図は傑作で、いつまでも眺めていられるくらい雅趣に富んだ作品でした。そうした時間を過ごせたことで今週は充実した1週間だったと思っています。折に触れて鑑賞の機会を持つことは、自分にとって心に宝物を増やす大切なものなんだと実感しました。陶彫制作は常に自分の心象を外に表出していくもので、何もないところにカタチを創り出す作業です。そればかりではイメージが枯渇してしまうのではないかという不安が常にあります。自分の中に心象風景の引き出しをたくさん貯め込むことが、自分を高めることに繋がっていくように感じています。実技と鑑賞のバランスをとりながら創作を煮詰めていくことが大切だと思った1週間でした。