Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 立体と平面の連携表現
週末は現在進行している新作について書いていきます。新作の陶彫作品は日付のある立方体で、そのコンセプトは4月17日付のNOTE(ブログ)に記しました。陶彫作品を私は彫刻として考えていて、陶土という素材に彫り込みを加えて立体化しています。毎日昼間の時間帯は陶彫制作に当てていて、四方八方から作品を見つめ続けながら、可塑性のある素材の特徴を生かして、膨らませたり削り取ったりして造形にしているのです。一方、それと同じデザインで私は葉書大の厚紙に平面作品を描いています。これは2007年から一日1点ずつ制作をしているRECORDと称する作品です。日付のある立方体を陶彫で作る前までは、陶彫作品とRECORD作品は別々の内容でやっていました。RECORD作品は小さく鞄に入れて持ち運びができたために、職場の校長室や出張先の喫茶店でも厚紙を取り出して、下書きを描いていました。ある時のRECORD作品は大きな陶彫作品のアイデアスケッチであり、ある時は陶彫作品とは無関係な世界を表現していました。でも日付のある立方体をやり始めてから、RECORD作品もそれと関連した作品を描くようになりました。同じ日付の陶彫作品とRECORD作品を同じデザインで表現してみようと思い立ったのでした。つまり立体と平面の連携表現ですが、やり易いようでいて、実は始まってみるとなかなか難しいところもあるのが分かってきました。手間としては気軽なRECORD作品を先行させると、その立体化が難しく、また陶彫作品を平面にすると退屈なものになりかねないのです。彫刻には素材のもつ存在感があり、絵画では描写の自由度が大きく、加えて色彩もあります。その調整をしながら毎日立体と平面の連携表現を求めているような塩梅です。個展には立体と平面の両方を出しますが、並べてみたらどんな効果が得られるのでしょうか。まさに今流行りの二刀流です。