Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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新聞より「トイレ作り職人選手権」
今日付の朝日新聞に面白い記事がありました。「世界各国のTOTOの工場で働く技術者が集まり、トイレなどで使われる衛生陶器作りの技を競う『衛陶技能選手権』が25日、北九州市の同社工場で開かれた。新型コロナ禍で2019年を最後に中断し、4年ぶりの再開となった。陶器にうわぐすりを塗ってつやを出す『施釉』と、便器などを形作る『成形』の2部門があり、今回は施釉の部の8回目。米国、インド、タイ、台湾など九つの国・地域の14の生産拠点から選抜された精鋭29人が参加した。つや出しと保護のためのうわぐすりを、トイレのタンクにスプレーで塗る競技や、塗布した厚みを目視で当てる競技に臨んだ。」審査結果は焼成後に決まるようで、これは我が国が世界に誇る衛生陶器作りの基本を成すものだろうと思います。今回、成形はなかったようですが、便器の形をより現代に合ったシャープで、しかも利便性を高めることに、私の興味関心が引き寄せられていきます。これは工業デザインの分野で、自分が高校時代に目指していた仕事でもあります。若い頃、私はヨーロッパ各国を回ったり、また教職に就いてから夏休みを利用して東南アジアを旅行してきました。そこの国のトイレ事情は否が応でも気になっていたところですが、何と言っても日本のトイレは清潔で、しかもデザイン性に優れたものがあります。M・デュシャンは便器に「泉」というタイトルをつけて、展覧会に出しましたが、日本の便器なら差し詰め「花弁」と名づけたいような未来型の美しい曲線をもった造形もあります。新聞によると4年前に2部門とも優勝をしたのはベトナムだったそうで、近い将来は東南アジア各国にも未来型の便器が登場してくるかもしれません。生活を楽しむこと、生活に美意識を取り入れること、これからのデザインの役割は大きいと考えています。