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note

週末 造形イメージ発想の原点
昨日のNOTE(ブログ)に生成AIについて書きましたが、新しい世界を創出することができるのは人間だけという定説を、私は今も信じたいと思っています。最近のAIの進化は驚くべきものがあって、数多くの情報を取り込むことで、絵画を制作し、それがオークションにかけられた事例を見たことがあります。AIの発展によって将来仕事を失う人もいそうで、不安を覚える職種もあろうかと思います。統計や会計処理を始めとする事務処理は、人がやるよりもミスが少ないAIの方が適任で、それが効率と人手不足の解消にも繋がるように感じます。教職にいた時、生徒とのコミュニケーションは人間でないと出来ないと思っていましたが、どうでしょうか。相手の気持ちをどのくらい理解でき、共感できるのか、そんな微妙な感性を持ったAIはこの先発明されるのでしょうか。また創作行為はどうでしょうか。造形イメージの発想の原点は、その人の経験によるもので、何にもなければ発想さえ生まれません。夥しい情報の蓄積から、これが造形として最も相応しいイメージを選出することはAIにも可能です。私自身も頭の中で経験から導き出すイメージがあって、それを具現化してきたわけですが、そこまでならAIにも出来そうです。ただし、経験を裏切って冒険をすることもあり、こんなことを実験してみようと思うことは果たしてAIにも出来るでしょうか。美術史の中でも、例えばルネサンスの芸術家たちや印象派を推進した芸術家たち、近代のピカソや現代のデュシャンは、歴史として蓄積されてきた従来の定番を裏切った人たちです。革新は時代を牽引し、やがてそれを定番として塗り替えていくのですが、それは人間でないと出来ない仕業かもしれません。そこには成功以上の失敗が付き纏い、その失敗から学んで成功に繋げていくのも人間なのだろうと思っています。AIが今後どのような発展をしていくのか、私には分かりませんが、まだまだ人間でないとできないこともありそうです。