2024.10.06
日曜日になりました。日曜日は創作活動について書いていきますが、今回は自作に関するものではなく、現代美術の潮流のひとつであったアンフォルメル芸術について述べたいと考えています。現在時間をかけて読んでいる「抽象芸術」(マルセル・ブリヨン著 瀧口修造・大岡信・東野芳明 訳 紀伊國屋書店)の「Ⅴ 抽象絵画の主流 」の文中にドイツの画家ヴォルスが登場してきたことで、嘗て私自身が刺激を受けた夭折の芸術家の作品に暫し囚われてしまいました。ただし、ヴォルスの作品が自作に影響を及ぼしたことはないのですが、その世界観に私自身心理が抉られた体験があり、その芸術家を知った日から私は資料を調べ始めたのでした。ヴォルスは私が学生時代に購入した「見えない彫刻」(飯田善國著 小沢書店)に登場した画家で、その後2017年に千葉にあるDIC川村記念美術館で展覧会が開催され、その時にじっくりヴォルスの世界観を堪能したのでした。「見えない彫刻」にはこんな文章があります。「50年代の世界を風靡したアンフォルメルの出発点はヴォルスだったが誰一人ヴォルスを超えることはできなかった。」さて、アンフォルメルとはどんな芸術か、ネットによれば「アンフォルメルとは、仏語で『非定形』を意味している。もともと非定形である生命感の緊張といったものを、目で見ただけでも分かるような画肌の感触(マティエール)や、現実には存在しないような形体によってつくられる空間構成によって表出しようと試みる芸術がアンフォルメル芸術と呼ばれる。」とありました。この潮流がヨーロッパから日本にやってきた頃に私は生まれたので、日本での盛り上がりは先輩世代の方々から聞いたことでしか語れませんが、従来の芸術の在り方の枠を壊したことで、現在のような多様な芸術表現が生まれたことは事実だろうと思っています。芸術表現は自らの心の吐露や考えを伝えるもので、そこに決まりはありません。今まで縛られてきた決まりを壊したことがアンフォルメルなのだと私は考えています。