2014.06.17
芸術家が作品を生み出す場所や周囲の環境に覗き見的な興味を私は持っています。学生の頃も大学の一角を使って、彫刻科の先生方が真摯に制作されている現場を垣間見て、自分の意欲を高めたりしていました。東村山市にあった池田宗弘先生の工房兼自宅に行くことを許された時、学生だった自分は有頂天になりました。さまざまな彫刻家の個展に行ったときに求めた図録に、作業風景やアトリエの写真が載っていたりすると、その環境を想像するのが今でも好きなのです。自分が数年前に建てた工房も、今回の図録に作業風景として掲載することにしました。私は創作の現場への拘りが強い作家だと自覚しています。どんなイメージで作品を作るかは制作現場の環境に負うところが大きいと思っているからです。東京都立美術館で開催されている「バルティス展」には画家バルティスのアトリエが再現されていました。再現にあたっては日本人の奥様のお力添えがあったとは思いますが、大変興味深く拝見しました。こんな環境の中で、あの光に満ちた静謐な画面が生まれたと思うだけで自分は満足を覚えました。