2026.11.04
昨日、工房で「発掘~六塔~」の6点目になる土台最後の窯入れを行ないました。焼成が無事に終わることを祈るばかりです。昨日から工房の窯以外の電気ブレーカーを落としているため、今日の作業は出来ませんでした。そのため今日は家内を誘って東京の上野にある国立西洋美術館で開催中の「ターナー展」に行ってきました。誤解を恐れず雑駁な括りをすれば、日本人は英画家ターナーと仏画家モネが大好きなのではないかと私は思っています。どちらの巨匠も入場券を買うために長蛇の列になり、作品の前ではじっくり眺めている人が多かった印象があるからです。それは大気や光、そして水を描く巨匠の感性に、私たち日本人の情緒が呼応し、茫洋とした画面に自分を投影しやすいのではないかと推察しています。私自身がそうなので、今日もターナーの静かな海景や荒れ狂う海、ヴェネツィアの船着き場の遠景を描いた絵を見ていると、暫し時間を忘れて立ち尽くしてしまうほどでした。しかも本展はターナーの絵画作品に並んで、現代美術の作品が提示されていて、時空を超えて共有される課題を浮かび上がらせる挑戦的な企画がありました。「ターナー展」に関しては後日詳しい感想を述べていきます。次に私たちが向かったのは目黒区にある画廊で、ここで私たちの友人である「佐藤健太・和美 陶展」が開催されていました。奥さんの和美さんに私は嘗て多大なお世話になっていて、茨城県にある彼らの陶芸工房にもよく訪れていました。和美さんは家内の高校の同級生で陶芸で身をたてています。私が海外生活を引き揚げて帰国した時に、陶による作品が作りたくて、そのノウハウを教えていただいたのが和美さんでした。私の陶彫の最初の窯入れは佐藤窯でした。それから私は教職に就きながら四苦八苦して陶彫に励んでいましたが、事ある毎に和美さんから助言をいただいていました。私は学校で彫刻を学んでいたものの、陶芸に関しては独学でした。彼らの陶芸は土肌を生かした自然な造形で、その野趣溢れる素朴な味わいが好きな人もいて、笠間の陶炎祭でもよく売れています。今日はご夫妻には会えませんでしたが、お互い末永く創作活動を続けていければいいなぁと思っています。