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ドイツの近代彫刻家
数年前、東京上野にある東京藝術大学美術館で、ドイツの近代彫刻家エルンスト・バルラッハの大掛かりな展覧会がありました。春爛漫の季節に美術館を訪れて、バルラッハを堪能したのですが、自分が初めてバルラッハの彫刻と対面したのは、1980年から85年まで滞欧していたウイーンの美術館で見た時に遡ります。真冬の寒々とした一室にバルラッハの小品があって、何回見ても心が引かれ、それでバルラッハの名前を覚えてしまったのでした。上野で見たバルラッハは、日本とヨーロッパの気候の違いのせいなのか、妙な気分になってバルラッハの彫刻と再会したのです。バルラッハは北方ヨーロッパが生んだ芸術家です。きりりとした造形感があって、日本の風土では理解できない精神性もあろうかと思います。一度ブログにもバルラッハのことを書いた記憶がありますが、コルヴィッツと並んで、自分にとっては滞欧生活の中で、忘れられない芸術家の一人なのです。