Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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回想のひと時…
回想のひと時…と言ってもこの1年間を振り返ることではありません。大学の工芸工業デザイン科に今年から通っている子と久しぶりに会い、その子が現在抱えている様々な課題を聞いているうちに、自分も学生時代の気分に戻されてしまったのです。当時のことを回想すれば、自分の我儘と甘えが見えてきて、決して人を諭せるものではありません。自分もその子と同じ不安な思いをして過ごした日々があって、大学で学んでいるものと現実のギャップに苛まれていました。そもそも創作にしても、一体何が自分にとって創作と呼べるものなのか、人体モデルを立たせて習作に明け暮れていた自分にはわからないのでした。彫刻とは何か、自分は彫刻という表現に何を求めているのか、社会的にそんなものの必要且つ必然性はあるのか、興味関心だけでどうやって気持ちを保ち続けていくのか、当時何となく感じていたことの解決を見ないまま右往左往して、自分は現在に至っているように思えるのです。その子が大学に入って感じ始めたこと、それを一生かけて答えを見つけていくんだろうなぁと思いながら貴重なひと時を過ごしました。