Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

自己療法としての創作
自己満足としての創作という表題を書いたところで、ちょっと思い当たる過去が気になって自己療法というコトバに替えました。自分は学生時代に工業デザイン科志望の受験生でしたが、入試の直前になって工業デザイン科から彫刻科に替えたのでした。興味の対象が社会的な影響を持つ産業美術から自己表現のみに帰結する造形美術に移っていったのは何故なのか自分に問いかけてみることがあります。その時から美術を生活の糧にすることを諦めて、美術は自由気儘にやるものだと自分で決めました。学校に通っている4年間は自分にとって最高に幸福な時間でしたが、生活の糧にならない表現を選んだことが学年が進む毎に気にかかり、4年生の卒業期には具合が悪くなることが多々ありました。大きな病院で精密監査を受けたこともありましたが原因がわからず、日々悶々とした生活を送っていました。彫刻をやっている時だけが前向きな気持ちになり、将来に対する不安に蓋をすることが出来ました。まさに自己療法としての創作だと当時を振り返って思い出しています。現在も仕事に対するストレスを別の方向に向ける手段として創作をやっています。ストレス解消とまではいかないのですが、これも自己療法としての創作活動なのかもしれません。充足した心を得るために行う創作は精神科いらず、と自分はずっと思い続けているのです。