Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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母校以外の芸祭へ
相原工房に出入りしている若い世代の中には、自分の母校とは違う大学に関係している子がいます。今日はその子を連れて母校以外の芸祭に行ってきました。芸祭というのはどこの学校も似た雰囲気があって、秀作ではなく楽しんで作ったモノが多く展示されています。最近の傾向でインスタレーションが多く、何を伝えたいのかわからないモノもありました。学生の中には具象絵画に正面から立ち向かっている生真面目な子がいて、それを見ると実力がわかります。むしろアカデミズムと言われても基礎基本をしっかり身につけている学生の方に好感が持てるのは、自分の感覚が古いせいでしょうか。学生作品の中で、思索に富むインスタレーションが見つからないのは、意図的・系統的な造形哲学が未発達で、表現力にも未熟な部分が多いのだろうと察します。振り返れば自分も同じで、造形の抽象化・象徴化に至らず、ずっとデッサン力の欠如を嘆いて4年間を終えたように記憶しています。このところ芸祭によく行きましたが、自分の原点を探りつつ今後の行く末を考える機会になったと感じています。