Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

「石壁サークル」への憧れ
昨日のNOTE(ブログ)にイサム・ノグチ庭園美術館について書きました。イサム・ノグチ庭園美術館は予約が必要だったため事前申し込みをして、家内と横浜駅から四国の高松まで高速バスに乗って行ったのを覚えています。随分昔のことで細かいことは忘れかけていますが、その日は高松市内のビジネスホテルに泊まり、翌日高松駅から琴平電鉄に揺られて、遥か海を見渡す八栗駅で下車しました。そこは石工の町で切り出された石が軒並み家の前に置かれていました。その状況を見てイサム・ノグチが移り住んだ理由がわかった気がしました。その日は小雨でした。数人の鑑賞者が待合室にいて、ガイドとともにイサム・ノグチ庭園美術館を見て回りました。自分が惹かれたのは「石壁サークル」と呼ばれる野外広場で、そこに立つと創作への意欲が見る見る湧き上がってきたのでした。サークル内に点在する制作途中の石彫群は、点と点を結ぶ緊張感を感じたと同時に、自分には心を解放させる快い空間も感じ取れて、生理現象として身体が緩んでいくのを覚えたのでした。そんな気分は初めてでした。生命が息吹き出す源泉と喩えるべきか、何とも言いようのない昂りが自分を捉えていました。