Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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「注文の多い展覧会」雑感
今月初めの週末、あまりにも工房が暑くて作業を早めに切り上げた日がありました。その日の夕方、横浜山手にある神奈川県近代文学館で開催中の「注文の多い展覧会」に行ってきました。展覧会の題名が示す通り、これは宮澤賢治の文学作品が基底にある展覧会で、宮澤賢治の世界を表現した画家で絵本作家である司修の作品を一堂に集めたものでした。自分の学生時代、版画作品を通して司修を知りました。詩情溢れる作品に、自分の感覚にはないノスタルジックな雰囲気を感じていました。表現方法の幅が広く、同一人物が描いたとは思えない画風があって、その自由奔放な絵が羨ましいと思ったこともありました。展示作品の中で詩集「雨ニモマケズ」の線描の絵画が面白く、自分もこんな風に描けたらいいなぁと思いました。色彩の美しさに定評のある画家ですが、自分は白黒の木版画も好きで、挿絵の入った書籍「サーカス物語」を思わず購入してしまいました。M・エンデの戯曲なので、そのうち読んでいきたいと思っています。残暑の厳しい日でしたが、展覧会場で気持ちがフワっと楽になれる気分を味わいました。