Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

発表のために制作する日常
一昔前は作品を作り溜めておくことをしていました。展覧会やホームページで発表しなければ、旧作が気に入らなくなったら再び手を入れることが可能で、過去の作品は常に現在の表現に更新されていました。現在は毎年7月に東京銀座で個展をしている関係で、昔のような作り溜めはありません。貯蓄なしの自転車操業で、時に危ない綱渡りもやっています。これが10年も続いているので、既に習慣化していて、自分の生きる張り合いにもなっています。自己表現に迷いがあったり、自分が表現に成熟を感じていない状態であれば、こうした発表に追われる日常は危険です。自分が燃え尽きたり、潰れてしまうかもしれないという追い詰められた精神状態になることが考えられるからです。作品はいずれにしても発表するために作るモノです。鑑賞者に見てもらうことで、コミュニケーションを図り、それによって観る側も作る側も心を活性化させることが目的です。一日1点制作を課しているRECORDもホームページにアップすることでデジタル面での発表をしています。今ではもう自分が作る全てが発表対象となっていて、自分の密かなメモは存在していません。日記ですらNOTE(ブログ)にしてしまう自分がいます。二足の草鞋生活がある以上、当分はこんなオープンな状況を続けるしか方法がありません。現在の仕事を退職して時間が持てたら、この状況を変えていくかもしれません。若い頃の作り溜めをもう一度してみたいと思っているからです。