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三連休 東京の美術館巡り
三連休の中日です。今日は朝から東京の美術館巡りを行いました。一昨日NOTE(ブログ)に美術鑑賞に対する思いを書きましたが、今日はその実践日でした。巡った展覧会は4つで、いずれも表現が異なる先人達の精神性を秘めた作品からは、苦闘や切磋琢磨が垣間見られ、あらゆる角度から私の心の琴線に触れてきて、今日は途轍もない力に翻弄されてしまいました。さすがに4つの大がかりな展覧会は、一度に見るべきではないかなぁと思い知った一日でした。今日は横浜から行きにくい場所にある美術館から始めました。最初は中村橋駅にある練馬区立美術館に行きました。最近では東横線が途中から副都心線に変わり、ひと頃前に比べれば乗り換えが楽になりました。スマートフォンの案内も役に立っていて、路線や道に迷うことがなくなりました。練馬区立美術館では「麻田浩 静謐なる楽園の廃墟」展が開催されていました。故麻田浩の画業は2007年8月28日に私が京都を訪れた際、京都国立近代美術館の個展で知りました。当時は没後10年と謳われていましたが、今回は没後20年になります。緻密に描かれた具象モティーフが紡ぐ幻想的で深遠な世界を10年越しに見て、改めてその迫力に圧倒されました。次に向ったのは溜池山王駅にある菊池寛実記念 智美術館でした。ここは外国大使館が多い場所なので、トランプ大統領来日に備えて、あちこちに警官が配置されていました。私も職務質問を受けてしまいました。菊池寛実記念 智美術館では「八木一夫と清水九兵衛展」を開催していて、陶芸の概念を器からオブジェに発展させた2人の巨匠のまとまった作品が一堂に会するとあって、私はこの2人展に絶対に行こうと決めていたのでした。陶彫はここから始まったと言っても過言ではなく、2人の革新者がいたからこそ今の自分の世界があると思っています。次に向ったのは六本木駅にあるサントリー美術館でした。10年前から東京ミッドタウンの中にサントリー美術館があって、ここに着いた時は多少疲労を感じましたが、狩野派を磐石にした狩野元信の画業を是非見てみたいという思いが強くて、疲労を忘れて食い入るように墨画著色や淡彩、また金地に描かれた花鳥風月を見ていました。「狩野氏終に元信を得るに至りて天下画工の長となる」という文面が示すように、まさに江戸時代の美術は狩野派が支配していたのでした。最後に向ったのは渋谷駅で、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されている「オットー・ネーベル展」でした。画家オットー・ネーベルは日本では知名度がなく、私も初めて知った画家でしたが、クレーやカンディンスキーと同時代を生きたドイツ人で、彼らと交流しつつ、ナチスの迫害を怖れてスイスに亡命した事実を知って、その作品を見てみたくなったのでした。一見クレーの影響が色濃い作品と思われがちな作風ですが、絵の具のテクスチャが異なり、そこにネーベルの独自性があると思いました。今日巡った展覧会についての詳しい感想は後日に回します。ひとつずつ吐き出し口を求めて、NOTE(ブログ)にアップしていく予定です。