Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 今夜も土曜名画座
昨晩、職場での歓送迎会が横浜駅周辺のレストランでありました。遅い時間の帰宅になり、案の定、今日は制作が滞るほど気分が優れませんでした。年度初めの多忙感は毎年のことですが、陶彫制作が佳境を迎えるのと相俟って、この時期はいっかな疲労が取れません。それでも朝から工房に行き、先週成形した陶彫部品の彫り込み加飾と次の成形のためのタタラ作りを行いました。自分を制作に駆り立てているのは個展への焦燥感だけです。このところ初夏を思わせる陽気になり、朝晩と昼間の温度差についていけず、それも疲労が取れない原因なのかもしれません。さすがに工房に置いてあったストーブと灯油を片付けることにしました。どんな状況であれ、工房で制作を始めると不思議に疲労が取れて、身体に緊張が漲るのです。創作への魔力とも思われるパワーはどこから湧いてくるのでしょうか。今日は土曜日の疲労を言い訳にして、夕方早めに工房を切り上げました。午後は家内を誘って、最近定番になっている映画に行くことにしました。横浜のミニシアターは既に私たちの常連映画館になっていて、私はこの習慣を土曜名画座と呼ぶことにしました。一週間の疲れを和らげるには美術館へ行くより映画館のほうが有効ではないかと思っているのです。観た映画はドイツ映画の「女は二度決断する」で、ネオナチによるテロ事件を扱った映画でした。ヨーロッパにある移民の問題を、ある家族の悲劇を通して浮き彫りにした物語で、嘗てドイツ語圏で暮らしていた家内と私には昔を思い出させる場面もありました。当時、テロはなかったにしても、移民は大きな社会問題になっていました。極右グループであるネオナチの存在も耳にしていました。映画「女は二度決断する」を、私はどこかの新聞で読んでいて、それは法の裁きに不満だった主人公が決断した行動への危うさを指摘する記事でした。法律と感情、その両者にズレが生じたときに人はどんな行動に打って出るのか、映画はリアルな問題を提起しつつ、復讐劇を用意していましたが、非日常的とも思える最終章で、私たち観客に、感情の抑制か吐露かを考えさせる機会を作っていたとも解釈できます。詳しい感想は後日改めたいと思います。