Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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三連休 制作&映画鑑賞
三連休の中日です。今日は工房に若いスタッフがやってきました。美大受験生である彼女は平面構成をやっていました。一所懸命に彩色している彼女に私は背中を押されて、私も陶彫制作を頑張っていました。屏風に接合する陶彫部品の最後となる2点の成形をやっていて、一瞬フロー状態にも入りました。それは時間を忘れて無我夢中になっている状態で、精神的には充実している証拠ですが、我に返った時に近隣のスポーツ施設に水泳に行って気晴らしをしてきました。自分を必要以上に追い込まないように、自分で調整してしまう癖が私にはあって、陶彫制作には長距離ランナーのような行程(工程)があるため、常に自分の精神状態を一定に保っているのです。若いスタッフも面相筆の先を何時間も見つめ続けて、只管彩色していたようで、彼女もフロー状態にあったらしく夕方にはクタクタに疲れていました。制作時の集中力を研ぎ澄ますのは、私も10代の受験勉強で身につけたものでした。スタッフを車で送り届け、今日は午後4時に工房を閉めました。自宅に戻って暫し休憩した後、家内を誘って映画のレイトショーに行くことにしました。常連にしている横浜市中区にあるミニシアターは割と混んでいて、三連休の中日なので映画を観る人も多いのかなぁと思いました。観た映画は「ゴッホとヘレーネの森」というイタリア映画でした。ヘレーネ・クレラ=ミュラーというオランダ有数の女流資産家が収集したファン・ゴッホの絵画作品。個人収集家としては最大規模の300点(うち油彩85点)を、まだファン・ゴッホが無名の存在だった頃に、いち早くその斬新な世界を見抜き、夫妻で美術館まで設立してしまったことをドキュメンタリーとしてまとめたのがこの映画の内容でした。映画の中でファン・ゴッホの研究家が解き明かすファン・ゴッホの絵画に賭けた精神的な魅力が、今日の工房での私のフロー状態に重なってしまい、その脚本が私の心に刺さってきました。単なる映画としてみれば、これは鑑賞者によっては面白味のないものであったでしょうか。私にとっては創作における魂の在り処に共感してしまう強烈な映画であったと思えています。この映画の詳しい感想は後日改めます。