Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 秋が深まる11月に…
今日から11月になりました。秋が深まり、朝晩は肌寒い日々が続いています。朝早くから工房に篭り、17点目の陶彫成形に挑んでいました。昼を少々回ったところで成形が終わり、彫り込み加飾は次回にすることにしました。以前作った陶彫部品で乾燥しているものがあり、窯入れのために仕上げを施しました。今日窯に入れてしまうと、電気の関係で明後日の文化の日に工房での制作が出来なくなるため、今日はそのままにして工房を後にしました。朝から陶土を扱っていると我を忘れます。土には人を素朴な状態にしてしまう不思議なパワーがあるのではないかと思います。日常の雑多な考え事は一切忘れ、もの作りの根源的な感情が沸き起こってくるのです。太古の昔から人は土を捏ねて、それを焼いて生活の道具にしてきました。私は道具ではなく、創作活動として土に寄り添ってきました。週末になると、私は原始的なパワーに取り憑かれて、非日常の世界に入っていくのだろうと思っています。夕方、家内を誘って東京町田市にある町田市立国際版画美術館に車で出かけました。そこで開催している「西洋の木版画」展と若林奮先生の版画展を見に行ったのでした。若林先生は私の学生時代、共通彫塑研究室におられましたが、本科にいた私は若林先生の指導は受けることができませんでした。それでも若林先生の世界観が知りたくて、先生の展覧会には足繁く通いました。「西洋の木版画」展では、同じく学生時代に交流していただいた木口木版画家の日和崎尊夫氏の作品が展示されていました。日和崎氏は大学の教壇に立っていられたわけではなく、ひょんなところで知り合って、何度か自宅兼工房にもお邪魔して、一緒に登山をした記憶があります。日和崎氏は50代で早世されてしまい、当時の懐かしさが込み上げてきましたが、作品を再確認してその素晴らしさに改めて敬意を表しました。「西洋の木版画」展と若林奮版画展の詳しい感想は後日改めます。昨日の映画といい、今日の展覧会といい、今週末は鑑賞が充実し、盛りだくさんの2日間でした。今月の制作目標は改めて稿を起こします。