Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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22’RECORD印の作成
2022年になってRECORDのために新しい印を作ることになりました。印は印用に加工された石材に氏名やそれに類するものを彫っていきます。現在陶彫による集合彫刻を2点作っていますが、それにも新しい印を用意する予定です。画家は自作にサインをして自分が制作したものであるという証明をします。版画は刷った枚数全てにサインをして、これがオリジナルである証明をしています。私は書と同じように落款をしてオリジナルの証明をしていますが、陶彫の場合はひとつの作品に複数個の陶彫部品があるため、部品全てに印をつけています。その際に印は和紙に押してそこに番号をつけて陶彫の見えない部分に貼っているのです。旧作の部品が大量にあるため、混同しないように新作には新しい印をつけています。番号は集合彫刻を組立て易くするためにつけているのです。これはRECORDも同じで、RECORDには月日を印の下部に入れています。RECORDの制作を始めて10数年が経過していて、保管は年代ごとに分けていますが、万一混同した時に分かるようにその年ごとに新しい印を作っています。陶彫と違いRECORDは小さな画面なので、印も画材店で市販されている極小の石材を用います。何年か前に石材は複数購入してあるので、今回はその一つを選んで印床に固定しました。印刀を使うのも久しぶりです。RECORDの印のデザインは、氏名ではなく抽象絵画のような文様にしています。書家の中には篆刻のようにルールに沿った印を求める人もいますが、私は自由に気儘に構成しています。今回は小さな画面に抽象形態を彫りましたが、そのうち陶彫部品に貼りつける大きめな印を彫ることになります。