Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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東京の書道展・美術展の散策
久しぶりに家内と東京六本木にある国立新美術館に行って来ました。私の嘗ての同僚で、現在も中学校校長の立場にある友人から、「毎日書道展」のチケットをいただいていて、彼の作品が奨励賞になったという情報があったために出かけたのでした。彼が書をやっているおかげで、私は毎年大きな書道展に出かけて、そこで現代における書の力作や多様な世界観を堪能できるのです。書の多様性については、抽象絵画に見紛うほど面白い構成要素があって、展覧会そのものはかなり楽しめる内容になっています。どんな文字が書いてあるのか、それを解読しなくてもいいのではないかと私は思っていて、純粋に白と黒の鬩ぎ合いに興味を持つことで、造形世界に自分を遊ばせられるのです。絵画と違うのは、一筆で書く勢いや色彩の要素をギリギリまで削ぎ落とした単純さにあって、その力強さと繊細さは、私の創作意欲を沸き立たせます。彼の作品は定番とも呼べる漢文の詩を書いたもので、斬新なものではありませんが、運筆の巧みさは充分伝わってきました。彼の作品からバランス感覚の良い性格も感じ取ることが出来ました。今日はせっかく国立新美術館にやって来たので、同時期に開催している「ルートヴッヒ美術館展」にも入場しました。私は若い頃、ドイツ語圏の国に5年もいたにも関わらず、ケルンには立ち寄ったことがなく、ルートヴッヒ美術館を初めて知った次第です。やはりドイツにある美術館らしくドイツ表現主義の作品が充実していました。その中で私が好きなK・コルヴィッツやE・バルラッハの彫刻が見られたのは幸運でした。ルートヴッヒ美術館は欧米の現代美術作品の収集にも積極的で、ここで20世紀を牽引した前衛作品が見られるとは思ってもみませんでした。「ルートヴッヒ美術館展」の詳しい感想は後日改めたいと思います。夜になって、自宅に懇意にしているカメラマン2人がやってきました。私の個展の図録が出来上がったので1000部を届けに来たのでした。図録はこれで17冊目になります。同じサイズで作っているにも関わらず、毎回作品が変わるので、今回の図録も新鮮な趣が漂っています。明日このうちの何十冊かを持ってギャラリーせいほうに行ってこようと思っています。残りの大量の図録は搬入時に車で持って行きます。