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週末 千葉の「マン・レイのオブジェ展」
週末になりました。今日は工房に出入りしている若い世代の女子2人と、千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館で開催している「マン・レイのオブジェ展」に出かけました。DIC川村記念美術館に過去何度か私は訪れたことがあります。同館が所蔵する作品群に興味関心があって、大自然の中で見る現代美術の傑作に、私は時折会いたくなるのです。今日はシュルレアリスムを代表する芸術家マン・レイのオブジェが見られるとあって期待は高まりました。図録にマン・レイの言葉が掲載されていました。「最終的にどのような形態であれードローイングであれ、絵画であれ、写真であれ、あるいは素材や大きさに手を加えていない物体そのものであれーそれは、楽しませ、当惑させ、困らせ、内省を促すように作られているが、他の芸術作品に通常求められているような、優れた手わざに対する賞賛を喚起するためのものではない。」マン・レイがよく使う「我が愛しのオブジェ」という言葉がしっくりとくるようなオブジェの数々を見ると、私はそのタイトルにも注目をしました。「視覚から認識し、脳内に想起する言葉や音と、タイトルにあてられた言葉、その繋がりの一致/ずれの関係性で、詩的なイメージが浮かび上がる。これは単なるシャレと片付けてしまうには尚早で、マン・レイが仕掛ける多層的な遊びなのである。」詩的発想はどの造形媒体にも存在すると私は考えていて、マン・レイの心を探る楽しみが溢れていると感じました。「マン・レイのオブジェは、『絵画』や『彫刻』など大義な芸術の『外』の要素の組み合わせで成り立ったあと、作品として静かに芸術の世界に戻され、『絵画』や『彫刻』と肩を並べるものであり、逆説的に芸術の枠もヒエラルキーも壊していく。マン・レイは制作の中で自由と快楽を追求していたと語るが、我々の前に『我が愛しのオブジェ』という肯定的な響きとともに品よく現れる彼のオブジェを見ると、自由や快楽はもちろんのこと、創造する純粋な愉しみをまっすぐに感じられるようである。」(引用の文章は全て杉浦花奈子氏)今日は女子を2人連れていたので、DIC川村記念美術館のレストランでお洒落な昼食をとりました。画家鴨居玲の伝記にあった「ええ格好しい」を、私も女子たちの前でやってしまいました。