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週末 東京都庭園美術館へ…
週末になりました。このところ土曜日にいろいろな予定があって、1週間の振り返りが日曜日になるケースが増えています。今日も東京白金台にある東京都庭園美術館に、工房に出入りしている美大生と一緒に行って来ました。東京都庭園美術館に私はよく出かけます。この美術館のもつ独特な建築様式が好きなので、展覧会とともに美術館そのものを鑑賞する目的もあります。その建築様式と言うのは20世紀初頭にヨーロッパで誕生したアール・デコ様式のことで、鉄筋コンクリートが新素材として登場し、近代的造形が形作られる初期の時代に、フォルムが鋭角なのに建築等に新鮮な息吹を私は感じとってしまうのです。それまではアール・ヌーボー様式がありました。アール・ヌーボーは曲線的、有機的、平面的であり、アール・デコはその逆で直線的、無機的、立体的となり、幾何学的や対称的な側面も含まれます。私がアール・デコを好む理由がここにあります。東京都庭園美術館は解説書によれば「都心の閑静な環境にある美術館本館は、1910年代から30年代にかけてヨーロッパを席巻したアール・デコとよばれる装飾様式を、パリ滞在中実際に見聞された朝香宮ご夫妻の意思によって取り入れ、1933(昭和8)年に建てられたものです。当時を代表するフランス人装飾美術家アンリ・ラパンに、玄関、大客室、大食堂、書斎などの主要部分の内装を依頼し、ルネ・ラリックもこれに参加しています。」とありました。そんなアール・デコ様式の美術館で、「機能と装飾のポリフォニー」と題された展覧会が開催され、近代のモダニズムのあり方を、当時のさまざまな作品を通して展示された空間を味わってきました。今年私が読んだ書籍に「ウィーン工房」や「バウハウス」があり、今までは概要しか知らなかった内容を詳細にわたってチェックしたので、その実物が展覧会で見られたのは幸運としか言いようがありません。展示作品の中には、私が20代の頃のウィーンに滞在中に見ていた作品もあっただろうと思っていますが、その時は雑駁な知識しかなかったためにきちんと認識して見ていたわけではありませんでした。展覧会の詳細な感想は後日改めますが、今日は充実した時間を過ごしました。