Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

三連休中日 日常の風景
三連休の中日です。日曜日の工房には後輩の木彫家がやってきます。彼が木彫を始めると日曜日の日常が戻ってきた感じがします。鑿を打つ音や電動工具の音が工房に響き渡り、私の陶彫制作と相まって、今日の工房は素材に立ち向かう雰囲気に包まれました。私も背中を押されて集中力が増し、陶彫制作に弾みがつきました。私の新作は陶彫による立方体を作っていて、しかも同じサイズのものばかり100個以上も作ろうとしているのです。そんな中で、同じ彫刻をやっている彼の存在は貴重です。彼は以前の私と同じ二束の草鞋生活なので、創作活動がやり易いように、私は仕事場確保の面で支援しているのです。今日は美大生もやってきました。彼女は大学に提出する論文を書いていました。先日購入したばかりのノートパソコンが早速役立っていて、絵画資料を探しながら文章を打ち込んでいました。日本美術の特質について論考するテーマらしく、彼女は俵屋宗達の扇について感想を書いていて、渋くて地味な作品選択に私は思わず声を発してしまいました。代表的な有名な作品ではなく、あえて陰に隠れた作品を選んだところに彼女の意図があったのかもしれません。工房の環境は度々NOTE(ブログ)に書いていますが、内壁がないため気温が外と変わりません。今日も寒い室内での作業になりましたが、後輩たちがいるとその寒さも紛れます。この日常の風景が好きだなぁとふと手を休めて感じていました。日常の風景は今日に限らず、さまざまなところに垣間見られて、習慣的に繰り返される場面に、ふと立ち止まることがあります。正月が終わり、街は通常に戻りつつあります。世界には戦時下にある国があり、そこでは悲劇が突発的に起こるのは分かっていながら、まだ不安要素が少ない日本に暮らしていることに幸せを感じることもあります。日常の何気ない風景は、そこで暮らす人たちがそう願っているから成り立つものであって、安易にやってくるものではないと考えるようになりました。話が若干飛躍しましたが、日常の風景が変わらないことを願うこの頃です。