Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 文様の展開
現在陶彫で作っている立方体には、それぞれ異なる彫り込み加飾を施しています。彫り込みというのは、文様を線描ではなくレリーフ状に削っているわけで、立方体の全ての面に段差をつけているのです。穴も開けています。そのデザインは具象ではなく抽象的なものにしていて、彫り込む深さも変えています。それでも最終的には365点の立方体に彫り込み加飾をするので、その展開をどうしていくのか、毎回成形された立方体を前にして線描用の針と掻き出しベラを持って、いろいろな下図を描きながら、悩みつつ試行しつつデザインを行っています。つまり文様の展開が新作のクオリティを高める結果になるので、ここが新作の見せ場であり、悩みどころなのでしょう。彫り込み加飾は、レリーフとは言え彫刻的な面白みとはやや異なるもので、デザインの領域なのかもしれないと思いながら、意外にも私はこの仕事が好きなのに気づきました。ひとつのカタチが展開していく在り様が私の嗜好にぴったりと合っているのかもしれず、大変な思いをしながらも内心では結構楽しんでいます。今日は工房に後輩の木彫家がやってきて、真摯に制作をしていました。気候が良くなって朝から気分良く作業ができるのはいいものだなぁと感じていました。1年間のうちに気分良く作業ができる日はそんなにあるものではなく、窓から外気が入ってきても爽やかな空気に満たされていました。創作活動を活発化させるのは今をおいて他にないと思えるので、このところは私は集中して頑張っていると自覚しています。この気候が長く続いてほしいと願うばかりです。