Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

東京の映画館&美術館へ
今日は朝のうちに工房に行って、一昨日窯入れをした作品の窯の扉を開けて焼成具合を確認しました。いつになっても窯を開ける時は緊張して、動悸がやってきます。これは何百回やっても慣れることはなく、作品を左右する瞬間と捉えています。今回は何とかうまくいっているようで、ホッと胸を撫で下ろしました。今日は東京の映画館と美術館へ鑑賞に出かけました。家内は和楽器の演奏があるため、私一人で行きました。映画は渋谷にあるミニシアターで上映している「マリウポリ7日間の記録」で、テレビの情報番組で紹介していたので、早速観に行ってきたのでした。映像内容の性格上、本作は大手の映画館では上映されないと私は思っていて、しかも多くの街にも波及しないのではないかと考えます。というのはこれは面白みのある映画ではありません。ウクライナ侵攻によりロシア軍に破壊された街マリウポリ。瓦礫となった街の片隅で暮らす人々のドキュメントで、映画のドラマとしての起承転結もなければ、いきなり始まり、いきなり終わるという生活そのものの記録だからです。私情も感傷も交えず記録に徹した本作は、そのリアルさ故に私の胸に重く響きました。撮影した監督は同地の親ロシア分離派に拘束され、殺害されています。ここでは語りつくせない部分もありますので、改めて別稿を起こして感想を述べたいと考えています。次に向かったのは六本木ヒルズにある森美術館でした。開催していたのは「ヘザウイック・スタジオ展」で、まるで現代彫刻のような建造物を世界各地に作っているロンドン設立の建築家集団でした。創設者トーマス・ヘザウイックの有機的な形態の美しさがポスター等で、私にも伝わってきて、これは観に行かなくてはならないと決めていたのでした。会場は東京シティビューという屋内展望台で、東京の都市空間が広々と見渡せる場所に、ヘザウイック・スタジオの雛型作品や実際の映像作品が展示されていて、大変心地よく感じられました。本展も詳しい感想は別の機会に設けたいと思っています。今日は充実した鑑賞時間を過ごせました。