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三連休 創作活動に関する覚書➁
今日は敬老の日で三連休最終日となります。昨日NOTE(ブログ)に書いた創作活動に関する覚書を今日も続けます。私の仕事仲間には校長職を退いた後、改めて自分の好きなことをやっていくと言っている人がいました。趣味の範疇であれば、そこは理解できますが、私のように生涯をかけた表現活動となると、自分が思い立った時から、それが多少無理を承知の二束の草鞋生活になったとしても実践していくべきだろうと思っています。それなりの自己表現には研鑽が必要だからです。ひとつの仕事をやり遂げた後で、そこから創作活動をスタートさせるには技術面や環境面で難しいことが多々あります。何か造形物を作ろうとしても、その人がどんな世界を描いているのか、そのための技術習得は出来ているのか、実際にはやるべきことが多いし、それは思っているより退屈な訓練かもしれません。また脳内世界を構築するにしても、何もないところからは何も生まれません。造形的視野を持つことにより、見たものが自分の中に取り込まれ、頭で醸成されて視覚化や具現化が成され、漸く作品にしようとする意志が芽生えます。ある意図を持った知識の蓄積も重要で、創作活動にはある意味での哲学が存在すると言っても過言ではありません。私自身は大学時代から彫刻を学び始めましたが、当時は人体塑造をやっていて、人体が有する複雑な構造と立体把握にどうしても納得することが出来ませんでした。結局は4年間を通じて習作に終始していて、何か創作的なものをと思ってもそこまで到達できないのでした。版画で試みても創作としての表現にはなっていないという残念さがありました。工房に出入りしている美大生の関係で、例年美大の卒業制作展に行きますが、学生の中には表現に説得力のある作品を作っている人がいて、私からすれば羨ましい限りです。私には外部刺激と内部思考の時間がたっぷり必要でした。それでもそれがしっかり具現化されているかと問えば甚だ疑問なのです。毎年開催している個展では、これが最終ゴールとは思えず、説得力のある作品が作れる美大生からすれば、私は何て時間がかかる先輩だろうと思っています。私の創作活動は未だ道半ばなのです。