Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 多摩美大の芸祭へ
私の工房に出入りしている若いスタッフの中に、今年度から多摩美術大学でグラフィックデザインを学び始めた学生がいます。彼女の案内で、工房に出入りしている学生2人と私を加えて、合計4人で八王子にある多摩美術大学の芸祭を訪れました。芸祭というのは美術系の大学の学園祭のことで、学生主催の模擬店や展示があります。私たちは10時半の開門と共に入場して、まずフリーマーケットに立ち寄りました。フリーマーケットは年々数が増えているように感じています。手作りの小物を売ることで、学生にも売れ筋の状況が分かるのではないでしょうか。展示物も卒業制作展とは異なり、祝祭的傾向があって賑々しい展示で溢れていました。学生の作るモノは、その巧拙はともかく、楽しさでいっぱいです。なかには真摯に素材に立ち向かった痕跡のある作品に目が留まり、感心するものもありました。この時期に手間を惜しまず創作できる機会は、大変貴重であると私は思っています。美大で過ごした後、社会に出ていく彼らは、美大で培ったモノ作りの意欲をどうか忘れないで欲しいと願うばかりです。学内を案内してくれた彼女も、店で小物を売っていた彼らも、とてもよい表情をしていたのが私は印象的で、創作活動で育まれるパワーが遺憾なく発揮できるのは、世の中が平和であるからこそと私は感じていました。世相が不穏になれば、若い芽は忽ち摘み取られてしまいます。世界に目を向ければ、そうしたことが実際に起こっていると言わざるを得ず、この雰囲気を絶対に壊してはならないと感じたのは私だけではないはずです。芸祭にやってきて、ここの和気藹々とした空気を吸い込んで、私も含めてこうした創作活動がいつまでも続くように祈るばかりです。