Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 漠然と新作のことを考える
週末のNOTE(ブログ)には創作活動のことを書いています。現在作っている陶彫立方体は今年7月の個展で最終発表形態になり、2年間続いた連作が終わります。それを意識し始めてから、次の新作のことが頭から離れられなくなっています。新作イメージは時間を選ばず、ふと湧いてきたり、天から降ってくることもありますが、自分の造形思考とも関わりがあって、発掘シリーズの基盤が常に脳裏にあるのです。地上から掘り込まれた場所にマイナスの空間が存在し、地中の遮られた内部に造形が緊密に連なっているイメージが私にはあります。それは私にとって決して新しいものではありません。初期作品から今までずっと私はそうした空間を作ってきたからで、そのバリエーションが新しい空間を創出させて新作になると思っています。まだ全体把握は出来ませんが、漠然とした何かが私の中で芽生え始めていると言っていいでしょう。そう考えると私の作品は解放空間ではなく、閉塞された場所で展開される埋蔵空間とも言えます。私はいずれ自分が入っていく棺を想定しているのかもしれず、自分の心を安定・安住させるために、地中に架空都市を作っているのだろうと考えます。古代ギリシャで創造された均整のとれた人体彫刻を、私は不完全ながら20代でやめました。明るい陽光のもとに人体を晒す彫刻は、私の資質に合わなかったばかりではなく、私の成育歴にそんな文化がなかったのが原因です。私は発掘された出土品の方が自分には身近なのです。自分にとって自然な造形イメージが発掘シリーズと言えます。今後漠然としたイメージは次第に具体性を持ってくると信じています。