Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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喪中葉書を受け取って…
この時季になると喪中葉書が送られてきます。自分の年齢を鑑みると、本人ではなく、その関係者が多いのですが、たまに親交の厚かった本人であったりすると残念でなりません。自分が世話になった人が亡くなり、喪中葉書を受け取った時の何ともいえぬ虚ろな気分が今日ありました。70代前半で他界したその人は、自分の海外留学の書類を作ってくれた人でした。当時ドイツやオーストリアに支店をもつ商社に勤めていて、自分がオーストリアに滞在中も気軽に訪ねてくれました。博多の明太子を大量に持参されて、日本食に飢えていた自分には何よりのご馳走でした。オペラにも精通していた人で、商社の仕事をしながら音楽の分野でも活躍されていました。ドイツ語は堪能、感覚も日本人離れしていて当時の自分はその人に憧れさえ抱きました。その人を見ていると、自分もしっかりした職業をもち、責任ある社会人にならなければならないと思ったことが再三ありました。時は移るもので、その人に今年はどんな歳暮を贈ろうかと思案していたところに喪中葉書が届いたのです。恩返しは出来たのかどうか…さまざまな思いがこみ上げる師走です。