Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 イメージの昇華
新作のための陶彫部品を作り始めました。昨日と違ってほんの少しばかり気温が低いのが救いでした。美大生ら3名の子たちもそれぞれの制作に勤しみ、相変わらず工房に真剣な空気が流れていました。自分の作っている陶彫部品はかなり大きな円形擂鉢上のものです。もちろん単体では窯に入らないので、いくつかに分割して作っています。昨日土練りした陶土をタタラにして、すぐに成形に入りました。今回は陶彫に高さがないのでタタラを固めなくても大丈夫と判断しました。円形部品は時間の関係でまだまだ揃わず、また来週末に持越しです。若い頃に、ギリシャやトルコで見た古代の円形劇場が発想のベースにありますが、イメージを辿る中で最初の発想から次第にカタチが遠のいていき、今は完全な抽象形態に至っています。でもあの頃、多少無理をしてもエーゲ海に残るさまざまな円形劇場を訪ね歩いて良かったと思っています。円形劇場の真ん中に立って360度回りながら体験した記憶が、今になってみれば作品作りの動機になり、また尽きぬ制作欲がもてるのだと考えます。記憶にあるイメージを昇華し、作品として結晶するのに随分時間がかかりましたが、案外創作とはそんなものかもしれません。