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オブジェの評論集を読み始める
「問いなき回答 オブジェと彫刻」(建畠哲著 五柳書院)を読み始めました。自宅の書棚に眠っていた書籍で、一度読んでいるかもしれないと思って読み始めましたが、どうやら購入したまま書棚に仕舞いこんでいたことがわかりました。目次を見ると興味のある現代作家が並んでいるので、今回はちょっと難解な評論集に食らいつきました。冒頭には鉄の造形作家として知られる村岡三郎。ハードで非情な世界観がイメージされる関西出身の作家として自分は認識しています。自分には比較的馴染みのある若林奮と同じように、思索的で存在そのものを問いかける作品を、かつて図版で見たことがあります。鉄棒の突端に塩がついていたり、空気や水を鉄板で覆い隠す作品に不思議に魅かれてしまうのは何故だろうと思いつつ、村岡ワールドのリアルな現場に居合わせていなかった自分を残念に思っています。こういう作品は実材(実在)を現場で見て、その空間に触れてこそ感じ取れるものがあると思うからです。「問いなき回答 オブジェと彫刻」には、まだまだ現代を問う作家たちが綺羅星の如く登場してきます。通勤電車の中で、じっくり楽しみながら読んでいこうと思います。