Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 陶彫の彫り込み
今日は青空に入道雲が浮かんだ真夏らしい一日です。朝から工房に篭り、大型扇風機を回しながら制作に汗を流しました。今日は新作の陶彫成形を1点行いましたが、前に成形が終わっている数点の作品の加飾もやりました。加飾は陶土の表面にニードルでデッサンをして、かき出しベラや木ベラを使って凹凸をつけていく、いわば彫り込みです。成形された曲面に浮き彫りを施し、微妙な角度を作っていくのです。これも成形と同じ自分の内面から現れるカタチで、心の動きを通して凹凸を考えていきます。たとえ凹凸に幾何形体が現れても成形された全体から見ると、自分の感覚により全体の中で有効に収まるようにしています。陶彫は焼成によっても歪むことがあり、カタチの捉えは感覚的にならざるを得ません。図面上に表せないのが陶彫の有機的形体で、金属や石材のように完全な幾何形体になり得ない特徴があります。それでも自分には純粋な抽象に近づきたい欲求があります。空間の中に存在する強固な造形はシンプルな場合が多く、自分の建築的な嗜好も相俟って、収縮したり歪んだりする不安定な陶彫に抽象化した面を持ち込もうとしています。彫り込みにしても建築化・抽象化への憧れがあります。今日も汗を滴らせながら、朝から夕方まで土塗れになっていました。