Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 梱包作業&美術館鑑賞
今日は梅雨らしい鬱々とした天気でした。午前中は昨日から続いている作品の梱包作業をやっていました。今日は若いスタッフが2人朝から来ていて、それぞれ制作に励んでいましたが、10時半頃スタッフ2人と家内を連れて、千葉県佐倉市にある美術館に行くことにしました。車で走ること1時間半、首都高速と東関東自動車道、京葉道路を使って、目指すDIC川村記念美術館に到着しました。まず美術館内の洒落たレストランで昼食をしました。私以外は女性ばかりなので、今回は充分なランチタイムを取ってから企画展を見ることにしました。私がどうしても見たかったのは「ヴォルス展」で、彼女たちにとっては初めて耳にした芸術家でした。私もヴォルスのまとまった作品を見たのは初めてで、学生時代から現在に至るまで少ない機会を捉えて見てきた謎の作家の全貌に触れて、心より感銘を受けました。ヴォルスは私が彫刻を学んでいた20代初めに知り得たドイツの芸術家で、当時バイトで貯めた金銭でやっと購入できた書籍「見えない彫刻」(飯田善国著 小沢書店)によりヴォルスという名前を記憶したのでした。初めに飯田善国氏の評論による先入観から出発した私のヴォルス観でしたが、その後滞在したヨーロッパで小さな作品に触れる機会があり、その独特な世界を味わうことが出来ました。帰国後も企画展でヴォルスの作品に偶然出会うことがありました。その震えるような心象と痛々しく感じられる非対象の絵画は、どうして生まれたのか今まで考えたこともなく、ヴォルスは私の心に細々と生き続けてきました。その生い立ちや背景が今回の展覧会で漸く分かりました。詳しい感想や雑感は後日に回します。夕方は雨になってDIC川村記念美術館の美しい庭園を散策することが出来なかったのが残念でしたが、スタッフたちは美術館コレクションにあったアメリカの現代アートにも満足したらしく、楽しいお喋りをしながら美術館を後にしました。因みに東京方面に向かう高速道路が渋滞し、帰途は3時間以上もかかってしまいました。