Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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三連休 新作最初の窯入れ
三連休最終日になりました。今日は残暑が戻ってきて、工房内は蒸し暑くなりました。昨日作っておいたタタラを使って、2つ目の塔を形成する陶彫部品の2個目に取り掛かりました。陶彫部品のトータルは8個目になります。今日は成形と彫り込み加飾を行いました。制作工程ではこの作業が一番面白いのです。立体としてカタチが立ち上がり、そこに彫り込みをしていく作業は創作意欲を掻き立てます。作品が実際にカタチを成していくのは気持ちを満足させてくれます。ただし、私の作品は集合彫刻なので、ひとつの陶彫部品に全てを盛り込むわけにはいかず、その部品が連続して組み込まれていくイメージを捉えながら、彫り込みをしていくのです。以前作った部品を横に置いて、その続きを作っていく按配です。陶彫部品はひとつでは完結せず、次へ繋げていくように加飾を施します。夕方になって8個目の陶彫部品が終わりました。これもまた前の作品のように乾燥を待つことになるのです。乾燥は急激に乾かないように軽くビニールをかけておきます。その後、いよいよ第1号の陶彫部品の窯入れを行いました。昨日仕上げや化粧掛けを行っていたので、慎重に窯に収めてスイッチを入れました。私の作品は素焼きをせず、いきなり本焼きに入ります。夕方から明日の午前中まで時間をかけてゆっくり温度を上げていきます。冷ましには2日間かかります。窯出しは木曜日になる予定です。毎回窯に入れる度に、私は無事に作品が返ってきてくれることを炎神に祈るのです。陶彫は最後の工程で人の手の及ばない世界を通過するのです。それが陶彫の醍醐味ですが、灼熱の世界を旅してきた作品は、鎧を纏ったような風貌になり、ひとまわり引き締まった体躯に頼もしささえ感じてしまいます。まるで土が生きているかのようなアニミズムを私は好意を持って感じ取っているのです。これで当分は夜の工房には行けません。ちょうどRECORDの山積み解消をやっている最中なので、ちょうどいいかもしれません。