Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 制作&映画と個展巡り
週末が久しぶりにやってきた感じがしました。それだけウィークディの仕事に負担を感じていたのか、とりわけ今週は疲れていました。副管理職たちの集まりで助言者を引き受けたり、近々やってくる研究会のために慣れないパワーポイントを作成したり、自分の職場以外の仕事が多く、落ち着かない一週間でした。今日は少々寝坊をして、朝9時過ぎに工房に出かけました。まず窯を開けて焼成が終わった作品を取り出すことから始めました。明日の成形のためタタラを複数枚作りました。相変わらず土曜日は身体が動かし難く、いつものように制作サイクルの中に思い切り自分を投じるのは避けたいと思っていました。幸い今日は家内の演奏会がなく2人で出かけるには絶好の機会でもありました。予てから観たい映画があったので、昼前に横浜の下町にあるミニシアターに家内と車で出かけました。このミニシアターは私が常連にしていますが、今までになく混雑していて驚きました。客席はほぼ満席で家内と離れて座ることになりました。エンターティメント系ではない映画なのに不思議な気分にさせられました。観た映画は「家に帰ろう」というアルゼンチン・スペイン共作によるもので、ブエノスアイレスに住む88歳の仕立て屋の男が、自分を施設に入れようとする家族たちから逃れ、自分の生まれ故郷であるポーランドに単身出かけていく、言うなればロードムービーでした。ユダヤ人である彼は第二次大戦でドイツ軍から迫害を受け、収容所を脱走してきたところを、同い年のポーランド人の友人に助けられた過去を持っていました。この友人に会うために旅の道中で、人の優しさに助けられ、人生の最後を賭する物語でしたが、その真意はまさに反戦そのものを描いていました。詳しい感想は後日改めます。その次に向ったのは藤沢市アートスペースという会場で、ここで昔からの友人が個展を開催していたのです。そこは辻堂駅前にありました。最近になって商業施設やマンションが建設され、まったく新しい街が出来ていました。彼は私と同じ二足の草鞋生活を営んでいた画家で、新作は画面全体に海を描いた連作を出品していました。同じ大きさのパネルに水彩絵の具で描かれた微妙に波打つ静かな海面。まるで定点観測のような世界。同じパネルがずらりと並んでいる様子は、まさに彼が筆で海面の状態を探り、また描き込んでは探っていく時間の経過が見て取れました。テーマはシンプルでも雄弁に語る世界観が快く感じられました。