Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 久しぶりの木彫制作
暖かい陽射しの中、朝から工房に行っていました。ロフト拡張工事に伴って配線工事が入り、朝9時から夕方まで業者が出入りしていました。私はテーブル彫刻に設合する陶彫部品を作り始めるため、大き目のタタラを複数枚準備していました。タタラを使った成形は明日行います。昼ごろから久しぶりに木を彫り始めました。テーブル彫刻の脚の木彫で、角材に有機的で生物的な曲面を出そうと鑿を振るいました。今までの私のテーブル彫刻の脚は、ブランクーシの「無限柱」のような幾何学的なパターンを繰り返す形態が多かったのですが、新作は自由な形態にしようと決めていました。チェンソーで彫り込みの当たりをつけ、鑿で剃り落としていきました。パターンでないものを作るのは時間がかかります。量感としての楽しみも加わりますが、常にイメージを確認しながらの作業になりました。私の場合、木彫は継続した作業ではなく、新作に必要となれば行なうものなので、技法や道具に馴染むまで時間が必要です。1本目の柱が彫りあがる夕方になって、漸く作業にリズムが出てきました。今回、テーブル彫刻の脚を3本にしたので、残り2本は後日に回すことにしました。陶彫にしろ木彫にしろ制作に入る初日が一番骨が折れるので、次回はもう少し気楽に制作できるのではないかと思っています。今日久しぶりに木彫をやってみて、木彫には木彫なりの面白さがあって、そこにどっぷり浸かれば、さまざまなイメージが出てくるだろうなぁと思っていました。私は彫り跡の切れが大好きで、それを求めるために鑿を丁寧に研がなければならないのですが、それによっていかにも木彫らしい雰囲気が出てくるのです。私は木材にはあまり拘ることがなく、彫りやすければ何でも使います。テーブルの天板は厚い合板で、陶彫部品と接合されるので、合板の上に砂マチエールを貼り付けて油絵の具を滲み込ませています。陶彫と一体感を齎せるための工夫ですが、自作の特徴にもなっています。明日は主に成形をやりますが、時間が許せば2本目の木彫に入りたいと思っています。