Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 障壁画に心動いた週
週末になりました。1週間の振り返りをしたいと思います。今週もいつものように毎日工房に通って陶彫制作に精を出していました。月曜日は成人の日で、美大生がやってきて課題をやっていました。火曜日も水曜日も朝から夕方まで作業をやっていましたが、木曜日は朝だけの作業に切り替え、午後は画廊や美術館に出かけました。とりわけ印象的だったのは東京のサントリー美術館で開催していた「京都・智積院の名宝」展にあった長谷川等伯一門の障壁画で、忽ち私の心が動きました。平日にも関わらず、展覧会には人が大勢鑑賞に来ていて、作品の人気度が分かりました。描かれていた桜や楓には遠近感がなく、ちょうど春の花見や秋の紅葉狩りで目にするような艶やかな彩りだけで全体構成が成されていました。昨日NOTE(ブログ)に書きましたが、あえてそうした構成にしたことが図録の文章より伺えました。安土桃山時代あたりから継続されてきた日本らしい表現には、現代にも通じるデザイン性が見て取れて、元々私たち日本人は写実を象徴化する美意識が備わっているのかなぁと思うようになりました。いや、安土桃山時代どころか、さらに古墳時代まで遡り、熊本県にあるチブサン古墳の抽象的な壁画にも優れたデザイン性を有していると私は考えているのです。チブサン古墳は20世紀に西洋で興った抽象主義の先駆けのようなデザインだろうと私は勝手に思っています。話が飛躍してしまいましたが、長谷川等伯一門が描いた障壁画に古さを感じないのは、日本人の持つデザイン感覚に委ねている部分が多いのではないかと私は察しています。金曜日と今日の土曜日は朝から夕方まで陶彫制作に戻ってきましたが、美的感覚に溢れる障壁画を鑑賞したおかげで、制作に弾みがつきました。明日も継続して制作三昧です。